鍼灸は、痛みを緩和する作用があります。
単純にそこに針を刺せば、痛みやコリはだいたい解消されます。
東洋医学的には、滞った気が針によって通じた結果、痛みが緩和されます。
ただし、そこに針を刺しても痛みが変化しない場合があります。
例えば、慢性の腰痛や肩凝り、神経痛など頑固な痛みは、痛みの原因が別にあるため、
ちょっと頭を使わなければなりません。
脊柱管狭窄症や50肩など痛みが強い症状を長く患うと、精神的に参ってしまいます。
すると精神的にダメージを受ける事で、痛みがさらに感じやすくなってしまいます。
西洋医学的にも、背外側前頭前皮質の部分(認知機能とトップダウンの抑制機能の役割)が精神的なストレス(トラウマなど)により、
縮んでしまい、痛覚過敏になってしまう事が報告されています。
東洋医学的には、精神的ストレスは心神に影響を与えます。
長期の精神的ストレスは心の血(陰)を消耗させ、相対的に心の陰陽が陽に傾き、結果的に心神に影響を与えます。
心神とは、人間の魂の根幹のようなところで、不安定になると、痛みを過敏に感じるようになります。
要は、無意識に自分で痛みを増長させているのです。
長い間痛みを抱えている人や、痛みの強い人は、心神が不安定になっている可能性が高いのです。
よって、治療法としては痛い箇所に針をする事はなく、
心神を安定させる事が痛みを緩和させる事に有効となります。
そして、心神による痛みで悩んでいる人は数多くおられます。
特に不眠を伴う人は、可能性は大です。
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